データ連携事業

都市のデジタルツインを構築する上でインフラとなるデータには、行政だけでなく民間事業者が保有しているデータもあるはずです。そのような民間事業者が東京都内に持つ地理空間データが、東京都の抱える事業や課題に対して、行政サービス品質の向上や効率化に寄与するユースケース創出へと繋げられるのか、その活用可能性を検討しました。

データの連携
ITS Japanの提供する
車両データの連携
2023年度の「ベータ版事業」の中でデータ連携を行った特定非営利活動法人ITS Japanと引き続き連携し、車両データ等の行政事務への活用可能性を検証しました。今年度は、ドライブレコーダーデータ及び通行実績データを取り扱いました。各データを庁内用3Dビューア上に重畳するとともに、各局にアンケート及びデータやビューアを確認しながらのヒアリングを行い、これらの活用可能性を確認しました。
連携データの特性
ITS Japanと協議を行い、本事業で連携可能なデータについて整理しました。
検証結果・今後の課題
本検証により、以下が明らかになりました。
データ連携成果
- ITS Japanとの協議や各局ヒアリングを通じて、ドライブレコーダーデータやプローブデータの解析結果の利活用可能性やそれに向けた条件・データに求める要望等を確認し、更なるデータ連携に向けて必要となる3Dビューア側での課題を整理した。
- NTT東日本社との協議や各局ヒアリングを通じて、NTT東日本社が電柱等の管理を目的として取得するMMS点群データの利活用可能性を確認し、活用に向けて必要となるデジタルツインとの連携方法や基盤に必要な機能を整理した。
課題・今後の方向性としては、以下が挙げられます。
課題
- 技術面
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- ITS Japanの提供するデータをリアルタイムに連携することを標榜する場合は、庁内データ基盤との接続仕様について検討が必要
- MMS点群データは車道を走行する車両から取得されるため、ガードレールといった道路用防護柵や街路樹等の遮蔽物が多い場所や、車道から離れたエリアについては活用に必要な水準のデータが取得できていない可能性がある
- 運用面
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- ドライブレコーダーデータとして提供される動画全てを人の目で直接確認することは現実的ではなく、地図データ化・ビッグデータ化や、定点観測できる仕組みの構築等が必要
- MMSデータ授受のフローは今後ニーズに合わせて調整が必要
- 品質面
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- ドライブレコーダーデータはニーズに応じて提供台数拡充やリアルタイム化が必要
- MMSデータを本来の用途以外で利用する場合、更新頻度や走行エリアが不足する場合、色情報付与、位置補正追加作業が必要な場合がある
今後の方向性
- 技術面
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- ニーズを踏まえた各社でのデータ加工の検討や、東京都による3Dビューアの追加機能開発
- 運用面
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- ニーズを踏まえた提供フローの調整及び必要なシステムの開発・連携