ベータ版事業 02 都市のデータ整備の新たな仕組みの検証

都職員が自ら取得する
点群データを活用し
都市のデータを整備

ベータ版事業 02のイメージ図

概要

測量の専門的な知識を持たない都職員でも、簡易的な機材を利用することで、迅速・容易に必要な箇所の点群データを取得・整備し、活用する仕組みを検討します。
庁内での点群データの取得試行等を通して、都職員が取得した点群データの活用ユースケースを取りまとめ、技術的課題・法的課題を明らかにするほか、点群データを活用するまでの手順等を整理します。

目的

  • 都職員による点群データ取得のためのガイドライン作成や試行を通し、各局業務における点群データ活用導入を促進することで、3Dデータを活用した業務効率化・高度化の実現を支援する。
  • 都職員による都市のデータ整備の方針、既存システムとの連携方法、法的課題等を整理し、点群データを庁内で円滑に活用できる体制を整える。

実施スケジュール

2023年5月まで
点群取得対象の整理
都職員による点群活用のユースケース検討
2023年11月から
点群取得スキーム案の検討
技術的課題・法制度整理
2024年2月まで
ガイドライン作成、成果とりまとめ

都職員が点群データを
取得・活用するシーンを整理

航空測量等で取得した大規模な点群では表現しきれない都市の要素について、都職員自身が簡易的な機材により点群データを取得し、業務で活用するケースや取得対象となりうる地物を検討しました。
また、庁内における点群データの活用促進に向けて、試行的な点群データ取得や勉強会の開催等を通し、業務活用に向けたユースケースを整理しています。
整理成果については、本検証の報告書として公開を行うほか、庁内への成果発表等を行い、都職員による点群取得・活用に向けた取組を進めております。

水道局と連携した点群データ
取得試行

東京都水道局と連携し、都内で実施された水道管新設工事において点群データ取得の試行を実施しました。測量の知識がない職員でも自ら点群データを取得することを想定し、簡易に取り扱い可能な機材を利用して少人数・短時間で取得できるように日中・夜間2つの環境で試行を行いました。
既に取得した点群データからは、新設された水道管の「位置・深さ・太さ」の情報を抽出可能なことを確認しております。3次元データの記録による、大まかな管の位置把握等、維持管理業務等への活用可能性について検討しているほか、各機材による取得が難しい環境についても整理を行っています。

簡易に取り扱い可能な機材による点群データ取得の画像
簡易に取り扱い可能な機材による
点群データ取得
簡易に取り扱い可能な機材による点群データ取得(夜間)の画像
簡易に取り扱い可能な機材による
点群データ取得(夜間)
取得した点群データの例の画像
取得した点群データの例

都職員を対象とした
点群データ取得練習会を開催

都職員がスマートフォン搭載のLiDARや位置情報付与デバイス等を用いて、自ら点群取得を試行し、活用方法を学ぶ機会を創出するため、点群データ取得練習会及び事後講習会を実施しました。合計10局32名の職員が参加をし、点群データの業務等における活用を検討するきっかけになった等の感想を得ました。

点群データ取得練習会の写真
取得した点群データの画像

今回都職員がスマートフォンで取得した点群データについて、3Dビューアでご確認いただけます。

点群データの例を
3Dビューアでみる

点群データ取得・活用
マニュアルの作成

東京都庁内での点群データ取得・活用を促進するため、点群データ取得・活用マニュアルを作成し、講習会等で活用を行いました。
マニュアルのうち一般公開可能な部分については、本Webページで公開しています。

点群データ取得・
活用マニュアル

検証成果・今後の課題

本検証により、以下が明らかになりました。

検証成果

  • 庁内の環境において、点群取得・加工、活用を行うためのフローを整理した。具体的には、取得したデータをデジタルツイン3Dビューアに掲載するためのフロー、将来的な点群データの自動重畳機能の追加や職員自身による掲載の実現可能性について検討を行った。
  • スマートフォンLiDARを用いた点群取得について、テキスト作成・勉強会等を通じて庁内での普及啓発を行った。
  • 水道局と連携した検証等で、スマートフォンLiDARを用い、都職員が取得した点群の品質・活用可能性を把握した。

課題・今後の方向性としては、以下が挙げられます。

課題

技術面
  • 特に位置情報を付与した点群データを取得するシステムについて、担保可能な精度や活用可能な環境を踏まえ、活用方法について継続協議が必要
運用面
  • 3Dビューア上へのデータ掲載の自動化に向けては基盤機能拡充が必要

今後の方向性

技術面
  • 都職員自身で点群を取得・活用可能な業務シーンの各局における発見支援、整理、相互共有機会創出の継続
  • 各点群取得方法が、各局の求める活用方法が実現可能な品質を担保可能かの検証
運用面
  • 都職員でも簡便に取り扱うことが可能な機材やソフトウェアの調達、共用を今後検討
  • 庁内データ連携基盤の機能向上の実施や、データフロー上の課題となる点の解決に向けた検討等、庁内での普及に向けた運用面整理の継続