ベータ版事業 03 産学官でのデータ連携に向けた課題検証

デジタルツインと
多様な主体をつなぐ
データ連携

ベータ版事業 03のイメージ図

概要

国・民間事業者・アカデミア(大学等)、多様な主体と様々なデータを連携するにあたっての課題をとりまとめます。
試行的に連携したデータについて3Dビューア上に重ね、ユースケースや検証結果をとりまとめることで、デジタルツインを社会実装するために必要なデータを明らかにします。

目的

  • 国・民間事業者等・アカデミア(大学等)、多様な主体が保有するデータを連携するにあたっての課題を明らかにする。
  • 都市のデジタルツインと連携が有効なデータを整理・検証する。

実施スケジュール

2022年7月まで
データ連携にあたっての一般的な課題を整理
連携候補となるデータ内容を整理
2022年11月まで
3Dビューアへの掲載
ユースケースとりまとめ
2023年2月まで
成果とりまとめ、ロードマップへ反映

産学官のデータ連携

データ連携試行やリサーチを通して、
都市のデジタルツインとの連携が有効なデータの整理・検証、
デジタルツイン上データの活用方策についての検討を行いました。

東京都心部の
3次元地質地盤図データ

東京都心部の3次元地質地盤図データ イメージ画像

学術研究や公共工事で得られたボーリングデータの解析結果を基に、東京都区部の地下浅部の地層の3次元分布形態を示したデータです。地下利用の頻度が高く、地上構造物の基礎にも深く関係する、地表から地下数10mまでに分布する地層(沖積層,段丘堆積物および下総層群)の基底面の形状を3次元的に確認することができます。
このようなデータを今後、防災・建設・不動産分野等において活用できる可能性があります。
本データは、産総研地質調査総合センターと東京都土木技術支援・人材育成センターとの共同研究成果です。

ゲームエンジン
連携・活用マニュアル

デジタルツインにおいて整備するデータの業務活用を促進するため、デジタルツイン上データとゲームエンジンの連携、ゲームエンジン上でのデータ活用について記載したマニュアルを公開しました。

検証成果・今後の課題

本検証により、以下が明らかになりました。

検証成果

  • 国、民間事業者、アカデミアの多様な主体と連携し、様々なデータを3Dビューア上に試行重畳することで、データ連携時に発生し得る課題を把握。また、データを活用したユースケースを整理し、今後の追加連携の可能性を検討。
  • 都庁内の業務での都市データ・デジタルツインの活用促進に向けて、データ活用手段のひとつとしてゲームエンジン活用マニュアルを整備・公開。

課題・今後の方向性としては、以下が挙げられます。

課題

技術面
  • 大規模データの重畳には、データ変換作業・掲載にかかる時間・コストが増大(藝大点群データ)
  • 時系列データのタイムライン表示において、データ読み込みのタイムラグによって描画が遅延(降水量予測データ)
運用面
  • リアルタイムデータの高頻度での重畳用データへの変換によるサーバーへの負荷(降水量予測データ)
  • 専門的なデータを公開する場合、関連ドメインの知識や補助データ・必要に応じて解釈性の高いデータへの加工等が必要(地質地盤データ)
品質面
  • 複数データ重畳時に留意すべき各データの解像度をメタデータとして付与する必要性(全データ)
  • 表示位置の調整のために手作業でのデータの位置合わせ作業が発生(河川点群データ)

今後の方向性

連携の拡大
  • 多様な主体とのデータ連携を継続的に実施
  • 試行連携で明らかになった課題をデータガイドラインへフィードバックし、今後の円滑な連携を実現
連携の深化
  • 今年度連携した主体との協議を継続し更なる連携を模索
  • 関係機関とユースケースに関する協議を実施